【洒落怖】団地での新聞配達

4階に着き、
そっと通路をのぞくと
向こうの方で奴が立っているのが見えた!

「あれは404の部屋の前だ!」

ドアの方を向いて立っていた。

401のドアはすぐそこだが、
奴が怖くて階段の陰に隠れて様子を見てた。

すると、くるっとこっちを向いた。

いや?向こうを向いたのか?

暗いからよく分からない。

んが片手に買い物袋のようなものを持ってる!

そしてまた珍妙な歩き方を始めた。

どうやら向こうへ、
6号室側の階段のほうへ行ってるようだ。

奴が通路から見えなくなるのを待って、
401の郵便受けに新聞を入れた。

「ふうーやっと配り終えた・・・」

階段を下りようとしたけど
奴のことだから、
いきなり下から上って来るかもしれない。

そう思うと怖くなり、
また階段を飛び降りるようにして下りた。

奴がやって来てもいいように、
とび蹴り食らわすつもりで。
タンッ、タンッ、タンっ、アチョー!っと
一回飛び降りるたびに足の裏が痛いw
3階の踊り場
3階、2階の踊り場と飛び降りて
2階の階段から、
1階の階段に降りようと
通路のほう(建物の内側)を向いたときだった!!

201のドアの前に、
奴が立っていたのだ!!!

「フオアッ!!」

びっくりして変な叫び声出しながら
勢いでそのまま階段を駆け下りようとしたら
バランスを崩してコケそうになった。

踊り場の壁に手を突いたからコケはしなかったが。
そして、そのまま1階まで駆け降り、
すぐさま自転車に乗り、
街灯のあるところまで漕ぎ逃げたところで
遠くから柳沢慎吾・・・
いや・・・救急車両サイレンの音が聞こえてきた?

そこでやっと現実の世界に戻れてこれたような気がした・・・。

ぼちぼち各棟の部屋の明かりも点きだした。

時計を見たら6時を超えていた。

いつもなら配り終えてる時間だ。

急いで残りの棟を配り終えた。

夜が明けて冷静になって考えてみたら
あれは得体の知れないものじゃなくて
普通の人間がレインコートを頭まで覆い被っていただけで
俺を驚かしてやっただけなのかもしれない

あ~~404の郵便物グシャグシャにしてしまったよ~

新聞屋にあとでどやされるな・・・
(授業中だろうが携帯に直接かけてくる)

さっきの恐怖よりも
こっちの方で気が滅入ってしまった

ところがどっこい電話がかかってこなかったのだ

404の住人チクらなかったんだな

良かった…


家に帰ると母が

「今朝ここの団地の人が自転車で運転中、
車にはねられて死んだぞ」

と教えてくれた

「すぐ近所だ近所」

「お前が配達中にパトカーと救急車が来たと思うのだが
知らないか?」

「その人物は新聞配達員だがお前ではない」

そうか!

あのサイレンはこれだったのか?

次の日。

昨日の今日だけに、
例の棟は一番最後に配ることにした。

配る時にも、
階段の電気をちゃんとつけて4階まで上り、
406の前に差しかかったときに、
404のドアに何か貼られてるのが見えた。

近づいてみると・・・

|忌|
|中|

404の住人の誰かが死んでたのだ!

「死んでそれどころじゃなかったから、
〒郵便物がクシャクシャになった事をチクらなかったのか・・・」

しかし、俺はそこで疑問に思った。

「もしや昨日事故で死んだのってこの部屋の人?」

「そういえば昨日の変な奴の歩き方は、
まるで自転車をこいでる様だった!」

「あれは、この部屋の人の亡霊だったのか!?」

「俺はこの目で亡霊を見たんだ!!!」

途端に何者かが近くにいるような気がして左右を振り向いたが、
誰もいなかった。

俺はドアに向かって手を合わせた。

そして401を配り、
3階へ降りようとしたとき、

「んっ?」

何か違和感を感じた。

3階へ降り、
302の部屋の前に行こうと通路の向こうを見ると
なんと、奴が6号室側の階段へ消えるのが見えた!

つけていたはずの電気も消えていた。

違和感の正体はこれだったのだ!

もし奴が生きている人間なら、
これから階段を利用しようとしてるのに、
電気を消すはずがない。

奴はやはり404の新聞配達員の亡霊だったのかもしれない。

俺がもう6号室側の階段を使わないから
拝んでくれたお礼に、
代わりに消してくれたのか?

これを最後に奴の姿を見ることはなかった。



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