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【洒落怖】帰省

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126 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:2001/05/17(木) 01:49
私も泣き出しそうでした。
何かわからない。彼女が何を言っているのかよくわからない。
でも私自身、あの家にいるあいだに、確かに澱んだ何かを感じたのを覚えています。
だから、私には彼女を責めることはできませんでした。

涙をおさえながら、彼女はもう一度「ごめんね」と言い、私の名をその後に付け加えました。
そのときです。私はあることに気がつきました。
どうして今まで一度もそのことを疑問に思わなかったのでしょう。信じられないくらいです。
いまま何度となくいろいろな場でペンを手にとり書いたこともあり、自分の声で言葉に出したこともあるのに、
なぜ一度も疑問に思わなかったのでしょうか。
私は一人っ子であるにもかかわらず、なぜ『勇二』という名前なのだろう。

127 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:2001/05/17(木) 01:50
もちろんそれだけでなにかが変わるわけではないでしょう。
しかし、私は蘇って来たさまざまな記憶と、あの家で感じた空気、そして彼女の怯えたような様子、
そしてなにより、私があの夜に見た悪夢。
幼い私が首を絞められていると思っていましたが、
よく思いだしてみると、微妙に幼いころの私と違うような気がするのです。

あれから一年近く経ちました。
彼女とは東京に戻ってから、時と共に疎遠になってしまいました。
どちらからというわけでもないのです。
お互い何か避けるように、自然と会わなくなってしまったのです。

128 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:2001/05/17(木) 01:52
私は彼女を愛していましたが、
自分がもう決して幸せというものに近づくことができないような気がしています。
それで彼女と面と向かうことができません。
今でもたまに電話がかかってくることがありますが、
彼女はあれから、あの家でのことを話してはくれませんし、私からも何もいえません。

話はこれで終わりです。
よくわからないと思われるかもしれませんが、私は自分の思っていることすべてを書くことができませんでした。
怖いのです。
彼女があの家であったことを話すことができないように、
私も、自分の家、自分の生について思っていることすべてを語ることはできません。

最後まで読んでくださった方には、この場でお礼を申し上げておきます。

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