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【洒落怖】降りる場所を間違えたら・・・

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私:「え、あ・・・」

電源が落ちました。
電池が無くなったようです。
私はしばらく呆然としながらジッと父を見つめました。

私:「お、お父さん・・・?」

父?:「・・・・・・・」

私:「ねぇ!お父さん!?」

父?:「・・・・・・・」

父は無言で無表情のままです。
窓から外をみると、周りは木が多くなっていました。
市街に向かっているはずなのにどうして・・・。

私:「どこに向かってるの・・・?」

父?:「・・・・・・・」

父は何も喋りません。
黙々と運転し続けているだけです。
私はそこで初めて重大なことに気付きました。

私の地元から○○県にくるまでは車を使っても1時間以上はかかります。
父が迎えに来てくれてのは最後に電話してからだいたい1時間~2時間ぐらい。
けれど、父は警察にも電話したって言っていたし、GPSを何回も試し地図で調べてきたとも言っていた。

・・・そんなに早く私を迎えに来れるものなのでしょうか?

私の思い違い?それにしてもその時の父は明らかに変でした・・・。

私:「お父さん?一回車止めて・・・?」

父?:「・・ブツ・ブツ・・・」

私:「え?」

父?:「・・早く・・行かないと・・。・・・俺の・・せいで・・ブツ・・ブツ・・・。」

ゾクっとしました。
それは明らかに父の声のソレではありませんでした。
低くて唸り声のような・・。

”降りる場所を間違えたら・・・”

不意にそんな言葉が脳裏をかすめます。

『私の前にいる父は父じゃない。このままだと変なところに連れて行かれてしまう。逃げなきゃ。逃げなきゃ。』

私はそのことを一心に考え、車がカーブに差し掛かりスピードが落ちた折、意を決して車から飛び降りました・・・。

その後について書きます私が次に目覚めた場所は病院のベッドの上でした。
そこは市街の病院らしく、医師の先生に話を聞くと山間部のほうの車道脇に倒れていた私を通りかかった人が見つけ、救急車に連絡してくれたそうです。

親に連絡をし迎えにきてもらい私は今度こそ家路につくことができました。
不思議なことに、父に昨日のことについて尋ねても何も知りませんでした。
父は電話なんてしてないし、それどころか私から会社に泊まると連絡がきていたそうです。

私が会った父は誰だったのでしょうか。
それに電話口の父やあの男の子、無人駅・・・。
結局のところ何も分からなかったし、これからもこのことについて知ることないと思います。

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