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【洒落怖】心霊動画撮影

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454 ::2009/08/27(木) 02:36:11 ID:qAzyC9Vy0
おばあさんが見えなくなった直後頃、動画に変化があった。 
急に俺達が騒いでいる声が聞こえ始め、
「やばいやばい!」と叫ぶOと、何が起きたか解らないまま動揺している俺とTが映し出された。
それは本当に唐突で、まるで車の付近にずっと待機していて、急に慌てる演技をし始めたかのような不自然さだった。
そこからの映像は、車を発進するまでしか録画されていなかったが、間違いなく俺達の記憶にある映像だった。 

しかし、一つ不思議な事があった。
Oは録画直前に女装したはずで、元の服に着替えたのはドライブインについてからだ。 
しかし、なぜか動画内のOは普通の服のままだった。一体Oはどこで服を着替えたのか… 
何もかもが不自然でおかしい。
俺達の記憶と全く違う内容の動画に、3人とも完全に混乱してしまっていた。 

動画を全て見終わってから、Oは「でさ、今日のことなんだが…」と話し始めた。 
「昨日の夜に寝てさ、今日気が付いたらなぜか○○川(地元の比較的大きな川)の橋のところで、
 お盆の上に水の入ったコップを乗せて立っていたんだよ。
 俺そんなことした記憶全く無いのに…」
俺は今朝の出来事を思い出し、TとOにその話をした。 
Oに話しかけたが、全く気付く様子がなかったという事を。 
それからOはこう続けた。 
「それでさ、わけわからないまま家に帰ってきたら、急に“あの動画を見なければいけない”という気持ちになって、
 それで見たらあの状態だったからさ…
 少し悩んだけど、お前達にも見せたほうが良いと思って呼んだ訳」
そこでTがこう言った。
「この動画のフラッシュメモリーさ、このままにしておくのヤバくね?
 お払いとかしてもらったほうがいいんじゃないか?」

俺とOもそれには同意見で、
早速近所のお寺に、ビデオカメラと問題の動画の記録されたフラッシュメモリーを持ち込み、
和尚さんに事情を話した。 
和尚さんは半信半疑で俺達の話を聞いていたが、動画を見せると暫らく考え込み、
「このカード暫らくあずからせてくれないか?」と言って来た。 
俺達はこんな気味の悪い物をもう手元に置いておきたくなかったので、
二つ返事で同意すると、フラッシュメモリーを和尚さんにあずけ、携帯の連絡先を伝えると、
お寺を後にしてその日は解散した。 

456 ::2009/08/27(木) 02:36:57 ID:qAzyC9Vy0
翌朝、俺は混乱していた。 
朝目がさめると、昨日のOと同じようにお盆の上に水の入ったコップを乗せ、○○川の橋の上に立っていたから。 
そして、その横には放心状態のTもいた。 
Tは何度か呼びかけても返事がなかったが、肩をゆするとハッとした顔をして俺の方を振り向き、
「俺今何してた?ここどこ?????」と言い出した。 
俺は昨晩家の布団の中で寝て、それから今まで起きていなかったはず。
Tも同じ状況だったにも関わらず、気が付いたらここにいたらしい。 

俺は気味が悪くなり、ひとまずOに電話をした。 
Oは寝起きで最初寝ぼけていたが、事情を話すと俺の家まで来てくれた。 
そして、3人で相談してもう、一度昨日のお寺へ行って事情を話す事にした。 

お寺に着くと事情を分かっていたからか、和尚さんはすぐにあってくれた。 
3人に起きた事を和尚さんに話すと、和尚さんは腕組みをして暫らく考え込んでいたが、
何か思い出したかのように暫らく席を外すと、お守り袋を3つもって戻ってきた。 
そして俺達にこう言った。
「3人とも、もうこの事は忘れなさい。そして、このお守りを1年間肌身離さずもっていなさい。
 そうすれば、今日あったようなことはもう無いはずだから」と。 
そして、「フラッシュメモリーだっけ?これは引き続きうちであずからせて欲しい。それでいいか?」と聞いてきた。
和尚さんは何か俺達の身の上に起きた事情が何なのか、何となく分かっていそうだったが、
結局俺達にはなにも教えてはくれなかった。 
俺達もその事を深くは追求しなかった。というより、しないほうが良いと感じた。

ただし、和尚さんは一つだけある事を教えてくれた。 
まず、俺達に「その資材置き場のような場所か小屋の近くに、川はあったか?」と聞いてきた。 
Oが「覚えている限りではなかったと思うけど…」と答えると、和尚さんは「そうか…」と言って、
続いて、なぜ俺達が無意識に水の入ったコップをもって外に出たのか、憶測を交えながら話し始めた。 
どうやら俺達は、何か呪いの一種のような物をかけられていたらしく、
その呪術の続きを川伝いに俺達へと、何者かが送り込もうとしていたらしい。
その何者かが人なのか、それともそれ以外の何かなのか、それは和尚さんは教えてくれなかったが、
とにかく、川を通ってやってきた呪いの受け口となっていたのが、そのコップと中に入った水らしい。 

俺達は呪いの元に誘導されて、寝ているうちに家にあるコップに水を汲み、
川へと呪いを受け取りに行っていたという事だった。 
このまま何の対策もせず、俺達が呪いの続きを受け続けていたら、
その後どうなっていたかは、和尚さんにもわからないらしい。
ただし、「無事ではすまなかっただろう事は確実だ」とも言っていた。 
このお守り袋は大した力は無いらしいが、
少なくとも、俺達の居場所を呪いの元から分からなくすることができるらしい。 
そして、1年もすれば呪いの痕跡そのものが消えるため、俺達が操られる事も無いのだという。

お守り袋を貰うと、俺達は特に根拠があるわけではないが、不安感から多少なりとも開放され、 
何かほっとしてそのまま各自家に帰った。

それから俺達は高校を卒業し、進路もばららばとなり、俺は都内の大学に進学した。 
TとOとは今でも連絡を取り合っているが、あの日の事は話題に上がることは殆ど無い。 
和尚さんに言われたとおり、お守り袋は今でも肌身離さずもっているせいか、
あれ以来俺達に、記憶の喪失やおかしな出来事は起きていない。

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