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【洒落怖】404号室

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120 :電波:02/09/11 03:03
しかし、遂に私の疑問も解ける時が来た。
一ヵ月後のことだ、
「ああ、君。こないだの404号室の方が退去されるそうだ。明渡しに立ち会ってくれ」
やった。とうとう用事が出来た。これはケチのつけようがない立派な用事だ。
退去する時とは残念だが、必ずタネを暴いてやる。
「くれぐれも失礼なことはするなよ」

121 :電波:02/09/11 03:04
404号室のベルを鳴らす。
「やあ、入らせてもらうよ」
ドアが開くや否や足を踏み出す。よし!今度ははじかれることもなくすんなりと部屋に入れた。
こんなにあっさり入れるとちょっと拍子抜けするほどだ。
「はやく確認をすませてくれないか・・・」
黒ずくめのゴキブリがなんか言ってるが知ったことか。私はとうとう入れた部屋の中をじっくりと確認した。
何かおかしなことはないか、どこか妙なところはないかと必死に探した。
しかし小一時間も探したが何一つ妙なところはない。ごく普通の部屋だ。
私はすっかり困り果ててしまった。
「参った。降参だよ。いったいどうやったのか本当に知りたいんだ。教えてくれないか」
「なんことだ・・・」
「この部屋だよ。どうやって一部屋余分に繰り出したんだ」
「私は何もしていない。契約だから部屋が出来た。契約終了と同時に部屋は消える・・・・。
もう確認は済んだだろう。私は帰らせてもらうが、あんたはどうするんだ」
すっとぼけやがって。何が契約だよ。うまいこと言いやがって。
きっと何か秘密道具でもしかけてあるんだろう。何がなんでも探してやる。
「ああーーいいとも。確認は終わったよ。きれいなもんだ」
「一緒に帰らないか・・・」
こんな薄気味の悪い奴と並んで歩くのなんてまっぴらだ。
「クク・・では、お先に・・・」
そう言うと奴は部屋を出て行った。

122 :電波:02/09/11 03:04
それから奴が帰ったあともひたすら部屋の中を探ったが何もわからない。
気が付けば外も薄暗くなって、どうやらもう夕方のようだ。
「一旦帰るか」
私はドアを開けて帰ろうとした。が、ドアが開かないのだ。カギをいじくってもだめだ。
嫌な予感がして窓を開けようとした、これも開かない。ベランダにも出れない。
ふと時計を見る、午後3時。なのにどんどん暗くなっていく。
外から歩く音がする。4階の他の住人が廊下を歩いているようだ。
ドアをたたき、「おーい、開けてくれ」と叫んだ。
住人はまったく気づかず通り過ぎる。
そもそも何で外が薄暗いんだ。今はまだ3時なのに、なんで暗くなるんだ。
外を見ると今までの光景と全く違っている。今までは外に見えていたのは、普通のどうってことない町並みだ。
なのに今外には何も見えない。真っ暗な空間がぽっかりあるだけだ。

123 :電波:02/09/11 03:05
それから半年が過ぎた。
奴の言葉が思い出される。
『契約終了と同時に部屋は消える・・・』
もしかすると、部屋は消えたくないんじゃあないのか。
契約終了ってことは、つまり私が現状確認をしてこの部屋を出ていくことだ。
つまり私がこの中にいるかぎりこの部屋は存在できる・・・。

125 :電波:02/09/11 03:06
部屋は私を死なせたくないようだ。備え付けの冷蔵庫の中にはいつも食料がたっぷりだ。
どういう仕組みか水も出るし、電気も通っている。
ここから出たい。私は一生このままなのだろうか・・・・・・・

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